
この記事の意図など:
・成り行きでタクシーをチャーターしたら、こんな感じで面白かったという体験を記します。
・タイでタクシーというと、メーター使わないだの高いお金を請求される等、トラブルの代表格みたいに書かれることが多いですが、私自身はそういう体験はありません。
・こんな風に会話したっけなあ…というのも思い出しながら掲載します。
中学レベルの簡単な英語しか話してません。でも結構楽しめます。っていうのをお伝えしたい。
・何が起こるかわからないが、気が向いたらタクシーやトゥクトゥクをチャーターしてみようぜ!っていう記事です。 いい出会いを!
ムエタイ観戦の送迎で…
その日の夜は、宿の前で車を待っていた。
ホテル近所の旅行代理店で、前日ムエタイに申し込んでいた。送迎の時間は「20:00~20:30の間」のように間隔があったが、1月というのにタイは素晴らしい気候で半ズボンでのんびり待つのに何ら苦はない。
ほどなくして、赤いソンテウがホテルの前に止まった。
ドライバーが私が要る側と反対側のドアを開けて降りたところへ、
「ハイ!ムエタイ?」と声をかける。彼はニコニコと「おー!あーゆーごいーん ムエタイ?」とタイ語なまりの英語で返事をする。
私はA5サイズのペラペラの紙チケットをポケットから取り出し彼に渡すと、彼は名簿を見ながら名前を探している。私も一緒に探す。名簿には私の名前のほかにも6人くらいの名前が書いてあった。
どうやら私は最初の乗客のようであった。ほかにはまだ誰も乗っていない。
ドライバーは、「ひあ!ひあ!のーぷろぶれん!」と助手席を指さしてくる。「あ、いいの?」という感じで、私も助手席に座る。

会話が始まる
ドライバーの男性は気さくな人だった。クリっとした目と厚い唇が印象的でどちらかというと愛嬌のある顔だった。外国人相手に聞かれる質問はやっぱり「うえああーゆーふろん?」である。
日本人だということを伝えると、
「オー、イープン!ぐーど!はっはー!でぃぢゅ かむ とでい?チェンマイ?」という感じで話しかけてくる。
「タイは暑くないか?」「この車の乗り心地はどうだ?」「ムエタイは初めてか?」などたわいもない会話をしながら、それでも結構交通量が多い中道端に停車しようとする車があったりして「あー、ホワイユーストップかーヒア!」などと声を出している。
明るい方だったのでこちらも話しやすい。まあ私は事前にビールを1杯飲んでいたせいもあるかもしれない。
そもそもなんでムエタイ観戦したいか?といえば、まだ20代だったころ、マッハ‼というタイ映画を見たのがきっかけだ。
そこに出てくるトニー・ジャーという俳優のアクションがものすごかったのだ。跳ねる、飛ぶ、車の下を滑ってくぐる、というわけで、「ムエタイってすげー!」とよくわからず思ったりしたものだ。
この映画のタイ語名は「オンバク」という。
私は「オンバクっていう映画のムエタイアクションがグレートで、だからムエタイ見たいなーと思ったんだよね」なんて話をしたが、 残念ながらドライバーの彼はその映画を知らなかった。私の「オンバク」はタイ語発音が悪いのかも知れない。
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オファーされる
タイの人は長い名前を持っているのでたいていニックネームを持っているが、この方の場合は名前の最初の部分を略してPam(パン)と名乗っていた。
パン「はうろん あーゆーいんチェンマイ?」
ワタシ「何日いるかってこと?3日間よ。」Oh, how many days do I stay in Changmai? I have 3 days.
パン「ともろー、ウェアどぅーゆーご?ともろー。」
ワタシ「明日はノープランよ。明後日はチェンライいくけどね」I don’t have any plan tomorrow. I’m going to Changlai the day after tomorrow.
パン「おー!あーゆーごーいんひあ!?あいごーえにうえあ!」
と言いつつ、見せてくれた行先メニュー。
チェンマイで定番と思われる、15か所くらいだろうか、訪問地の写真が掲載されている。
虎、エレファントなんちゃら、首長族、どこぞの寺、等々の写真を指さしながら
「こことここは近いから、一緒に行ける」「こことここは別の場所にあるから、これと一緒には無理だ」等々教えてくれる。
はっきり言ってチェンマイで何やるか、明確なプランは無いまま来ている。街を歩いて見物しながらその辺りで飯をくったりお寺に行ってお祈りしたりしようと思っていたくらいである。
ここでこの運ちゃんに乗ってしまってもいいか。
しかし、ここへ来るまでにけっこう散財している。旅も終盤。あんまり金がないという話をしたら、
「アフタヌーン!ゆーきゃんごーえにうえあ!500バーツ!おーけ!のーぷろぶれん!」という。
バンコクでGrabタクシーのチャーター料金は2時間600バーツ程度だから、それ以下の値段で午後ずっと一緒にいてくれて運転もしてくれるならこちらも助かる。
というわけで以下のような会話となる。
ワタシ「OK、実はガンシューティング行きたいと思ってた。あとはタイガーも近所にあるんだよね?」
パン「のーぷろぶれん!あっぷとぅーゆぅ!」
ワタシ「電車のチケットも買いたいと思ってるから、最初に駅に寄ってから行くことも可能?」
パン「すてーしょん?のーぷろぶれん!べりーくろーす!」
パン「はうあばう、イレブン? あいるごートゥ ゆあホテル!」
ワタシ「よしゃ、それでお願いしたい!あしたあさはゆっくり寝たいから」

話している間、ほかのホテルにも立ち寄って、お客さんを乗せていく。全部で7人ほどは乗せていただろうか。
話をする必要がないから楽で、この車好きなんだよ。と言っていた。
そして、ほどなくムエタイ会場についた。
皆が降車したら、
「ぷりーずりめんばー。かー なんばー 8!」
といって、帰りには「8番」を探してくれと乗客に伝えている。
私もムエタイ会場に入っていった。
(ムエタイについては、別の機会に書きます)
帰り道
ムエタイ観戦が終わり、帰りもPamさんに送ってもらう。
帰り道では、再び助手席に一人で座る。ほかの乗客はすべてファラン(西欧人)である。
ホテル前でそれぞれの客が降りる度、助手席から40バーツやら100バーツ札やらのチップをパンさんに渡していた。パンさん自身は送迎だけですでにアレンジ会社から金をもらっているはずである。チップ収入は結構大きいんだということを目の当たりにした。
みんなが止まっているホテルを見ながら「みんないいホテルに泊まってるなあ」なんてことを話題にしながら、私の泊っている安価なホテルについた。
車を降りると、
「おーけー!あいかむとぅもろー!おーけ!?ばっばーい!」
といってパンさんは去っていった。
(つづく)
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